みなさん、こんにちは。
奈良県生駒市の井上勇夫税理士事務所 税理士いのうえ君です。
今日は5月26日(火)です。
昨日は「インボイスと領収書、結局何が違うの?」について書きました。
今日は「給与明細から読み解く社会保険料の決まり方」について書きます。
なぜ給与明細の「社会保険料」は毎月変わらないのか?
毎月の給与明細を見て、「社会保険料が高いな」と感じる方は多いでしょう。しかし、健康保険料や厚生年金保険料の額が、残業代などで毎月細かく変動しているケースは少ないはずです。これには、「標準報酬月額」という仕組みが関係しています。
社会保険料は、毎月の給与額そのものではなく、一定の幅で区切られた「等級(標準報酬月額)」に保険料率を掛けて算出されます。この等級は、原則として年に一度見直されます。毎年4月から6月の3か月間に支払われた報酬の平均値を基準に、その年の9月からの保険料が決定されるのです(これを「定時決定」や「算定基礎」と呼びます)。
ここで注意したいのは、「報酬」に含まれる項目の広さです。基本給はもちろん、役職手当、家族手当、残業代、さらには「通勤手当」までもが、社会保険料を計算する際の基礎に含まれます。そのため、遠方から通勤して交通費が多く支給されている人ほど、標準報酬月額が高くなり、結果として手取り額から引かれる社会保険料も多くなる仕組みになっています。
なお、昇給などで固定給に大幅な変動があった場合には、年の途中でも見直しが行われる「随時改定(月変)」というルールもあります。
社会保険料は原則として会社と従業員が半分ずつ負担(折半)していますが、会社にとっても大きな負担額となります。給与体系の設計や「年収の壁」への対応を考える上でも、この社会保険料の仕組みを正しく理解しておくことは、経営者にとって不可欠な知識といえるでしょう。
【出典】
・TKC事務所通信(令和8年5月号)
・ブログネタ.pdf(「給与明細のきほん」を基に作成)